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紙の書籍 [コラム]

「紙の本は絶滅するのか」このインパクトあるタイトルにひかれて記事を読んだ。2016年3月8日の毎日新聞夕刊、松家仁之さんが「今週の筆者は」欄に記載されたものだ。

本の材料に関係する仕事のため、紙の本が絶滅するとは一大事と気になった。記事を読めば概略がわかったが、やはり本も読まねばとして本書を読んだ。そうは行っても日本語訳だが。

原著は2009年に発行され、日本語訳は阪急コミュニケーションズから工藤妙子訳で2010年に発行された。天地小口は青く着色され、カバーは黒を基調にして銀色の印刷がされて、角背になっている。

有名なイタリアの学者ウンベルト・エーコとフランスの脚本家ジャン・クロード・カリエールとの対談形式で話が進んでくる。タイトルだけで著者について全く知らずに読んでみたのだが、無知とはいえ高名な二人による対談だった。残念ながらウンベルト・エーコ氏は今年の2月19日に亡くなられた。

約460頁に及び、本の表紙や装丁に関する表現を期待したのだが、結果として本がいかにすばらしいかを紹介しているように感じた。工藤妙子さんの訳者あとがき「本の世界はあたたかい」で、原題を直訳すると「本から離れようったってそうはいかない」とのこと。内容からするとこのほうが、そうだそうだと納得する。本の電子化が進みCDROMなどに記録されることになっても、5世紀も前の印刷物を読む事の出来る本はすばらしい、との記載。やはり本を称賛する書物だった。


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