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村上春樹 1 著作権 [村上春樹]

 村上春樹氏の作品は難解で読むのを躊躇していたのだが、今回短編にチャレンジしてみた。「イエスタディ」で、この作品は文芸春秋の2014年1月号に収録されたものだ。内容について問題が生じたため関心を持たれた方も多いと思うが、2014年4月18日の読売新聞によれば著作権について問題があったとのこと。イエスタディはビートルズの楽曲として有名だが、それに関西弁での替え歌の歌詞をつけたことが発端のようだ。この曲を管理しているソニー・ミュージックパブリッシングと村上氏との間で何かがあり、短編小説集として発行するにあたって、替え歌歌詞が大幅にカットされ一部文言を追加したなどして出版することになった。確かに著作権にまつわりTPPをはじめ各所で問題となっている。有名な楽曲を引用する場合は著作権者の許諾をとるなどされているが、今回はどうであったのか、それはわからない。小説、楽曲お互いに著作権をめぐる問題はつきないようだ。また、ポールマッカートニーに関する表現もあるが、5月17日の国立競技場の公演が延期となったのは残念。 さて小説の内容について。主人公は関西の芦屋出身で東京の大学に通っている。東京の言葉を流暢に話し、「それともうひとつ、僕がこれまでとは違う新しい人間になりたかったということが、ぼくが関西弁を使わなくなった大きな理由としてあげられるだろう。」と記載されている。また、主人公の友人は田園調布に住むが関西弁で話す人間。「後天的に学んだんや。一念発起して」・・「つまり一生懸命勉強したんや。・・」と関西弁を学んだことが記載されており、また、「・・・大阪市内の、それもかなりディープな地域のしゃべり方だ。」と特定地域の関西弁となっていることが記載されている。このような場面に遭遇してふと、自分はどうだったのだろうかと記憶を呼び起こすことになった。私自身は関西から東京に来た人間だが、主人公のように別の人間になりたかった訳ではない。学校で関西弁で話をしていたら笑われたことにむかっとして、まさに一念発起してアクセントを変えたものだ。ただ、お手本はテレビだった。そのため友人からお前の言葉はきれいだが東京弁ではない標準語だ、と言われたことがある。まさにお手本にする対象でアクセントは決まってしまう。 この小説では携帯電話が登場する。ただ、「・・これは携帯電話なんてものがまだ影もかたちもなかった時代の話だ・・」と、実際の携帯電話が小説に利用された訳ではない。
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