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松本清張 「顔」 [小説]

 テレビ朝日開局65周年記念のドラマとして2024年1月3日に松本清張原作の「顔」が放送された。後藤久美子30年ぶりドラマと武井咲との初共演で見ていた人もあると思う。原作はどうだったかと、読み直してみた。1956年に発表されたため当然時代背景違うのだが、ストーリーもなんだか違うと思ったのだがやはり相違点も見られた。大きな違いは犯人がドラマでは女性だが、小説では男性。目撃者と出会っても犯人だとわかっていなさそうなので、大胆に顔出しをしたのだが、目撃者が、映像を見て犯人の顔を思い出す設定は同じだ。原作では夜行急行げんかいで九州から京都に行くや、為替で旅費を送るなど、今とは違った昭和30年代が出てくる。また、京都での昼食に「いもぼう」が出てくる。海老芋と棒鱈を使用した煮物で、今でも円山公園近くに専門店が何軒かある。昔京都に住んでいたため懐かしくて昨年何十年ぶりかに食べに行った。まさか今回の小説の中に出てくるとは思わなかった。

松本清張は自作解説のなかで、何の学歴も無い若者が世に出るには映画俳優やタレントなどで、それを題材とした。松本清張にとって最初に書いた推理小説的作品で「顔」を含む短編集が、江戸川乱歩が会長をしていた日本探偵作家クラブから、探偵作家クラブ賞を贈られたと、記載している。松本清張にとっては感慨深い一遍なのだろう。

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