SSブログ

芥川賞13 「この世の喜びよ」 [芥川賞]

 第168回芥川賞が文藝春秋2023年3月号に掲載された。群像に発表された井戸川射子さんの「この世の喜びよ」。

 主人公を「あなた」と表現していたが、なるほどっ、と思っただけで、読んでいて違和感はなかった。ショッピングセンターを中心とした日常生活、人間模様が描かれていている。

 文藝春秋を購入して芥川賞を読むとき、選評から読むか、受賞作から読むか、いつも考えてしまう。今回はとりあえず選評からにした。不思議なもので選評を読んでしまうと、主人公を二人称的な表現で記載されていることを前提として読みだしてしまう。知らずに作品を読むと、あれっ、との感激から入るのだろうが残念ながら大きな感動がなかった。

 作品の内容ではなく、入口での話になったが、芥川賞をどのような読み方をするか、みなさんは。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

江戸川乱歩賞「孤独なアスファルト」 [江戸川乱歩賞]

 第9回(1963年)江戸川乱歩賞の受賞作で作者は藤原正太。東京都下の三多摩地区を中心に描いている小説。国電小金井駅、小金井街道、三鷹、新川高校、井之頭公園などが出てくる。小説なので会社名などが実際と違うのは当たり前なのだが、記載内容と実際の場所との違いなどが気になった。例えば、三鷹の新川高校と書かれているが、実際のこの場所には三鷹高校が存在する。

 西村京太郎さんが、トラベルミステリーを書いていると鉄道ファンから、ちょっとした時刻表や駅の情景の違いなどを指摘されることがあるとのことだった。マニアは結構見ているものだ、と思っていたが私も同様であった。自分の持っているイメージと実際が違うとどうしても気になってしまうのは仕方ないのかもしれない。

 この小説では1960年代前半を反映して東小金井駅予定地や青電話やドライブクラブなどの表現が現れる。時代背景を調べながら小説を読むのは楽しい。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: