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芥川賞7 むらさきのスカートの女 [小説]

 第161回芥川賞が発表され文藝春秋2019年9月号に掲載された。今村夏子の「むらさきのスカートの女」。一気に読んだが何かが残るといった印象の小説だった。

携帯電話やPHSに関する描写もあるが、印象に残ったのは公衆電話についてで「・・公衆電話のボタンをプッシュする。プッシュしては、切る、プッシュしては、切る、を繰り返す。・・」との記載がある。そういえばダイアル式の黒電話からプッシュホン方式に代わってからは回すからプッシュするに変わった。ピッポッパッと言っていたように思うのだが。トーン信号と言ってこの音で電話をつなげるもので、トーンダイアラーという電話機に近づけて音を出さして電話をかけることもできる便利な代物もあった。スマホが当たり前の時代なのであえて公衆電話などでトーン信号を発生させて電話することもなくなったが、この原理は今でも使用されている。「ピッポッパッ」が気になったので調べてみたがさすがに商標登録はされていなかった。ただ「ピポパ」は登録番号4566907号で東日本電信電話株式会社が、その他、区分違いで他社でも商標登録している。発音してみるとよく似ている気がする。

 さて小説に話を戻そう。登場する、むらさきのスカートの女と黄色いカーディガンの女の対比が気になった。選者の中にも同じような評をする先生がいた。余韻のある内容、今後の小説を楽しみにしたい。

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