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西村京太郎とファクシミリ 其の弐 [西村京太郎]

 今回からは、ファクシミリにまつわる話を進めていこう。
 西村作品の中で、ファクシミリに関連してどうしても外せない作品から考えたい。
 列車にポータブルファックス持ち込み、殺人事件のアリバイを示していったんは容疑者から外れるものの、十津川警部の眼をだますことができず、結局犯人としてアリバイが崩されていくものだ。これは、1989年1月に小説現代に掲載された「スーパー特急かがやきの殺意」で、西村先生の鉄道を熟知した推理小説、十津川警部、新しい技術の導入といった要素を備えている。
 作品のなかでは、特急かがやきには「・・この新しい特急列車にはファックスが備えつけられていると聞いたんですがね。・・ビジネス特急とのことで電話の他に、ファックスも備えつける話がありました。試運転の時にはファックスも置きました。しかし、その後ファックスは置いてありません。・・くわしい理由は私にはわかりませんが、時期尚早ということだったんじゃありませんかね。・・」とのことで、ファックスの設置は無かったが、設置試験が行われたと記載されている。なるほど列車にファックスがあれば便利だし、JRも考えていると感心した。
 1986年1月15日の朝日新聞には「情報化時代の交通機関は、動くオフィスへ機能変革」と題して運輸政策審議会の運輸情報化の近未来像を描いた答申の記事があり、「将来は列車や自動車内にファクシミリやマイコンを備え、各種予約やデータ通信が可能になる」との記載がある。自動車内でのファックスについては、大阪のサクラタクシーのHPで1986年11月に日本で最初に自動車用FAXをタクシーに導入との記載があり、1986年には現実のものとなっている。しかし、特急かがやきではファックスの設置はかなわなかった。

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